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2008/07/03

引張りバネの初張力について

追記:当方と全く同じ見解を示されています(画像以外の部分を含む)。実力のある設計企業と思います。普通はここまで踏み込んだ意見は述べないものですが。画像は下記URLより引用しました。(以上、2009.04.15追記)www.takitard.com/spring.pdf

画像はPro/Eで作成した引張りばねです。引張りバネの設計にあたって初張力を考慮しますが、この初張力を求めるには範囲を求めるグラフ線図が大概の引張りバネの文献に記載されています。そしてこの初張力の線図は加工後の焼鈍しを行わない状態でのデータであることです。普通はバネは若干の引張り強さは犠牲にしてもじん性を得る目的で焼鈍し処理を行います。この焼鈍し処理を行うと加工によって発生した残留応力を減少させることでばねの耐疲れ性を向上させます。この焼鈍しを行うと初張力は大きく損なわれます。従って焼鈍し処理を行って耐疲れ性を(じん性)得る必要がある場合は、初張力を
グラフ線図の下限以下にする必要があるかと思います。この設定はバネメーカーに問い合わせることで対応し、満足する結果の問い合わせ返信を頂いたバネメーカーに発注することが最適な対応でしょう。
さて、図のバネの最大の強度上の弱点はばねのフックとコイルの境目(フックの起点部)です。この部分の立体曲げ半径を十分に確保するようにしましょう。本稿はばね材料としてピアノ線を利用する場合の考察です。なお、圧縮ばねの場合は加工後の内部応力を除去する目的の焼鈍しを十分に行う必要があるので初張力の設定は意味を持ちません。

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