画像は私が作成した歯車ソフトの画面の部分表示です。上部の画面は{中心距離増加係数を利用しない}のボタンがハイライトしています。中心距離増加係数は中心距離計算に利用して、歯たけには利用しない計算方式です。この計算手法は理工学社{JISにもとづく機械設計製図便覧}に記載されている計算手法です。この計算式では歯たけは2.25*モジュールを確保している代わりに、頂げきが1.2125と標準並歯より少なくなっています。この値が並歯より少なくなることは、熱膨張、異物の噛み込みなどで歯底の干渉に留意する必要があります。その代わりにかみ合い率が確保される歯車設計になります。
もう一つの画面(下図)には{歯形計算に中心距離増加係数を利用}のボタンがハイライトされています。理工学社刊行の{パソコンによる歯車の設計計算:蓮見善久著}、(株)小原歯車工業の歯車カタログVol3などと同様の計算式を利用しています。歯たけ計算に中心距離増加係数をパラメータとして利用しています。右上の頂げき1.25、歯たけ11.2126に留意してください。この計算手法では歯底の噛合い干渉を避けるために頂げき値をモジュール*0.25を確保しています。その代わりに歯たけを少なくしています。かみ合い率が犠牲になります。私は普段はこの計算式を利用して歯車の仕様を決めています。本来はどちらの計算式を利用するかではなくて、最適な歯車列の算出に両方の計算結果を比較しながらパラメータを変更して最適結果を得ることに利用されるべきですが、歯形にも(トロコイド曲線部)影響するので留意が必要です。この計算方式の区分を表示しない歯車ソフトの多いことに私は少なからぬ疑問を抱いています。尚、画像のソフトに関しては下記URLをご参照ください。
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