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2008/12/03

平歯車の計算 補足(その4)


平歯車の歯形作成ソフト Involute_Curve 2.1 についての補足説明です。このソフトには、他の歯車設計関係のソフトには先ず見かけないオプショントグルボタンがあります。画像の右側の{計算モードの選択}の部分です。ここに2つのトグルボタンがあります。{歯形計算に中心距離増加係数を利用}{中心距離増加係数を利用しない}の選択肢です。
{歯形計算に中心距離増加係数を利用}:噛合う一対の歯車の頂げきを0.25*モジュールとして一定にする設計方法の選択。この計算方法の選択によってコンタミ(微細屑)の噛みこみなどによる歯形干渉を計算段階で未然に防ぐ計算モードです。転位歯車の場合は自動的に低歯歯車になります。この計算式は小原歯車工業(株)の歯車カタログ、理工学社発行の{パソコンによる歯車の設計計算 蓮見善久 著}などに記されています。私は設計時、基本的にはこのモードを採用しています。
{中心距離増加係数を利用しない}:噛合う一対の歯車の歯たけを2.25*モジュールとして一定にする設計方法の選択。噛合う転位歯車の場合、歯車の頂げきが0.25*モジュールより少なくなり歯形損傷に注意する必要が設計計算段階であります。この計算式は理工学社発行の{JISによる機械設計製図便覧}に記載されています。
どちらがよい設計方法かどうかという意味ではなく、単にこの設計方式の流れが書籍によって分かれているということです。
私のシェアウエアの歯形設計ソフトInvolute_Curve 2.1は、近い将来に、歯形係数の算出を自動的に算出する機能を追加予定ですが、この機能には、両方式共に対応しています。このソフトの歯形係数算出のパラメータには{歯形計算に中心距離増加係数を利用}モードによる低歯歯車への対応も自動的に含まれています。歯車の曲げ強度計算の歯形係数の算出には転位係数が大きな効果を発揮するので、大変貴重なモード選択になります。
尚、噛合う転位歯車間の中心距離計算には両方式共に中心距離増加係数を利用し、中心距離は同じ数値を示します。また、歯底円径も両方式共に同じ数値になります。転位なしの噛合う歯車の場合は両方式とも全ての項目が共通の計算結果になります。
追記:09.3.24現在既に上記機能を全て搭載した機能で発行済みです。詳しくは下記URLへどうぞ。http://bluesutou.blogspot.com/2009/03/involutegearcurve21.html

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