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2014/07/16

書物紹介:資本主義の終焉と歴史の危機 水野和夫著 集英社新書

正社員、派遣社員、契約社員・・・・デフレーション、ゼロ金利、法人税率下げ、消費税引上げ・・・・アベノミクス、物価上昇誘導、インフレ誘導策・・・・年金制度崩壊、こうやって言葉を並べてゆくとこの先には何があるのだろうと思う。とどのつまりは集団的自衛権の行使に関する閣議決定・・・・これは間違いなく戦争行為への参画を示している。安倍内閣はNHKの役員の顔ぶれ(明らかに右翼、それも暴力的右翼を信奉する某女史の存在を放置するなど正気の沙汰とも思えない。加えて安倍首相自身が自衛隊員を将棋の駒のような見方で戦争を肯定する著書を表した前歴・・・)こうして眺めてゆくと今の政局の立ち位置というのが見えてくる。このような時代背景にあって、標題の本をを読むと、小説でも書けそうなほどの説得力を持って現在の立ち位置の問題点をこれでもか、というくらいに描き出してくる。企業の利益などを求めては時間の進みを遅らせる効果でしかないという。愚直に物創りに励み、没頭することができれば、それこそが最上の価値に思えてならない。まだ読み始めたばかりで本書をどのように読むかもまだ定まっていない。資本主義につかりながらそれを批判する気は毛頭ないが、秒単位で価値の移動が瞬時になされてしまうマネタリズムとは一線を画した生き方がこれからは求められるのではないか。デフレに落ち入ったら最後、現代はデフレ脱脚がおそらくは不可能な時代という。歴史の流れを戻すのでなく明日を見据えるに必要なものは何かを本書は示唆しているような気がしてならない。その意味で一読勧めたい本ではある。

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