著者はUSAの方であって、万葉集を英訳して全米図書協会賞を受賞された方です。本書を読み終えた第一感は日本語と英語の感覚もずいぶんと近くなっているというのでしょうか。筆者は状況によってはラテン語の語彙を求めては歌のイメージを英語で表現したりしている。それでいて、極力平易な文章で、万葉集の英訳をよませてくれる。本書の圧巻は英語で表現した詩歌ではなくて、英語表現にいたる筆者の詩歌理解への取り組みだろう。枕詞にも意味があるとして、それなりに英訳している。万葉の{愛}はI love youという陳腐な表現では語れないとして、訳を創出していることなどをあわせると英訳を通じた万葉集の案内書として、現代の私たちにも読ませてくれるものがあります。
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