2017年5月21日日曜日

歯形係数のグラフについて

今月末までの限定投稿です。


1998年頃の機械設計誌に記載されていた歯形係数のデータ。右上隅の計算式をみてお分かりかと思いますが、現在では適用不可のデータです。まだISOと綱引きを演じていた頃ですが、当時既に、日本歯車工業会はISOのデータ系列を採択していました。気になるのは、日刊工業新聞系列の機械設計誌がJIS規格(現在では存在しない)として掲載していたという事に尽きます。当時既にISO系列の歯形係数の計算式が日本歯車工業会発行の基幹文献に公開されていたにも係わらずです。この余韻が現在でも国立島根大学の講義資料に古いグラフ(上記グラフ)が旧式の計算式と共に使用されていることに現れていると思います。いまだに歯形係数に始まる計算式の趣旨が国内では統一されていないのでしょうか。

下記が、現在のJGMA採用の歯形係数の計算式です(ISOと共通)。上図の歯形係数の計算式との差異を確認してください。
差異はJGMA採用式は基準圧力角のCOS値が分母に存在していることです。

推測される事ですが、歯元の曲げ応力の計算式もまた異なるはずですが、その計算式は現時では当方が探す限り下記以外どこにも見当たりません。島根大学工学部はいつまで非ISO系列の計算式にこだわるのでしょうか。非ISO系列の計算式の採用は品質評価を貶める一因にもなりえます。(ANSI系の歯車理論とも無関係です。)
島根大学のテキストでは、歯の曲げ強度計算、歯面圧力計算の式において初めてCOS値が分母に表示されていますが、混乱の原因になります。おそらくは旧JISの歯形係数を採用して、そのままJGMAの歯の曲げ強度、歯面圧力計算式を適用した設計者も存在しているはずで、その場合、強度計算の数値は高めに算出され、もしかしたら、モジュール値の変更で設計をしなおした例もあるかもしれない。

参考:http://www.ecs.shimane-u.ac.jp/~shutingli/CADgeardesign3.pdf

この影響は国内のWeb上で歯形係数を活用した歯の強度計算に関わる投稿が極めて少ないことに垣間見られると思います。歯車に関する手頃な価格帯の歯車計算ソフトに歯形係数に関する記載がありません。小原歯車工業のカタログではJGMAの基準圧力角20度限定の図表を掲載しています。ISO系列の歯形係数の計算式は基準圧力角の設定が意味を持つ数式になりますが、旧JISの計算式(最上図記載)ではこのパラメータがどこにも見当たらないのです。(唯一の例外が上記リンクの記述です。)




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